まっさんの「生きにくさ」を考えるサイト

心の重さをちょっとだけ軽くできるかも

「心のこだわり」が強すぎると生活が苦しくなる問題

強迫症こだわりの画像

強迫症】「こだわり」が強すぎて生活に支障がでる人たちがいます

こんにちは町中の『まっさん』です

 

あなたは何かにこだわりをもっていますか?

例えば、

「ブランドはヴィトン」

「お酒は熱燗(あつかん)」

「お風呂は右足から入る」

「目玉焼きにはソース」

などなど。。。

 

「こだわり」はその人の個性ですからアイデンティティの一つといえるかもしれませんね。だから、「こだわり」を持つことはとてもいいことだと思います。

 

また、信仰や信条など「心のこだわり」は社会生活をおくる中では重要なことです。

言い換えれば「プライド」をもって生きていくことは、その人の行動への責任や精神の安定には欠かせない要素です。

 

ところが、ちょっとしたことで「心のこだわり」が過度になり日常生活に支障をきたすことがあります。「こだわり」が強すぎてそのことに過度に集中」してしまう。その集中度が過剰になりそのことをしなければ不安になる。

 

それが自分でも「異常」とわかっていても、

そのことをしなければいられなくなる。。。

それをしないと不安で不安でどうしようもない状態。。。

そう「強迫不安」ですね。

 

今回は事例をみながら「強迫症状」と薬物の関係をつらつら書いています。

 

 

 

 「不安」に立ち向かう

仕事でも生活でも「心のこだわり」をもつことはプラスにはたらきます。

それは、人に流されることなく自分で自分の人生を歩むためにはなくてはならないことです。

 

あなたも人に振り回されると「くたくた」になりますよね?「もうヤダ!」とおもっても人に流されやすい人は、なかなかその状況から抜け出せません。

 

一方で、自分に信条(プライドやこだわり)がある人は他人の意見や行動に左右されず、自分の信条に従って考え、自信をもって行動できます。

 

このように「心のこだわり」は社会生活をおくるなかでとても重要なことなんです。

 

ところがです。

 

この「心のこだわり」があまりに強すぎると社会生活に支障がでてきます。ちょっとしたことがきっかけになり、どんどん「こだわり」が強くなり、仕事や生活に問題がでるほどになることがあります。これが「強迫症状」ですね。

 

治療の一つとして「暴露反応妨害法」というものがあるんですが、有名な例をあげてわかりやすく説明しますね。

暴露反応妨害法とSSRI

【例 キレイ好きの強迫観念】

〈症状に至るまで〉

キレイ好きな主婦Aさん、ある日テレビで「トイレ掃除」の特集を何となくみていた。

【Aさん】

『へ~、こうやれば効率よくトイレ掃除できるんだ。。。』

【テレビ】

『トイレのこの部分が特に注意が必要です。実際、ここには目に見えませんがバイ菌がいっぱいいます。ほら!どうです!こんなにも菌がうようよしてるんです』

 

Aさんにとっては衝撃な映像でした。

そこには細菌がうようよしている映像が映っていました。。。

トイレとばい菌

【トイレとばい菌】見えないはずの細菌が見えてしまっている!

 

これをきっかけに、Aさんはトイレ掃除ができなくなってしまいます。それどころか便座に座ることもできず、手袋を2重にしてアルコール消毒・便座シートを使い排泄をするようになりました。

 

特に問題となったのは外出先でのトイレです。最近のトイレはアルコ―ル消毒用のジェルや便座シートなど設置している場所が多くなってきましたが、全然知らない人が使用した後の便座に触れることは恐怖でした。そのうち外出先ではトイレを我慢するようになり、それが精神的負担となって、徐々に外出自体をしなくなってしまいました。

 

外出しなくなったAさんの症状はさらに悪化します。トイレだけでなく、ゴミ(特に生ごみ)や蛇口、ドアノブ、スイッチなどあらゆるところにバイ菌がいるように思え、さわるたびに過剰な手洗いをするようになります。

 

自分が納得するまでは「手洗い」は続きます。。。自分が「納得」できると一時は不安から解消され手洗いは終了しますが、時間がたつと手に『細菌』がついているように感じ「手がもぞもぞ」します。そして過剰な手洗いが再び始まります。

 

これを繰り返すうちに、何もさわっていなくても何かさわったかもしれないと思い込み、手洗いを繰り返します。 この段階になるとAさんにとっては何かを触ったかは問題ではありません。「手を洗わないといけない」とう「心のこだわり」がそのような行動をとらせているからです。

〈対処法〉

見えないものへの恐怖は「頭の中で作られた恐怖」です。そのため、本人が感じている対象(Aさんの場合は『ばい菌』)が、Aさんに対して「何も害がないんだ」と納得しなければ症状は軽減しません。それどころか、目に見えない分、強迫感は強まることが予想されます。

 

幸いにして、人は誰しもこの恐怖感に打ち勝つ能力を持っています。それは「慣れ」です。「慣れ」は人がもつ心の能力の中でも最大の能力の1つではないでしょうか。あなたがつらい状況にいても、ある期間その状況に置かれると以前より楽になったという経験はありませんか。それが「慣れる」とう人の心の能力の1つです。一般的には、「免疫がついたよ」なんて表現されますね。

 

Aさんには典型的な「強迫症状」が出ています。『ばい菌』が無害であると本人が納得することが症状克服のカギとなります。

 

Aさんが「納得」するためには、Aさんは『ばい菌』と接触することが必要になります。それも何度も接触しなくてはなりません。その苦痛状況に長い期間接触することで、『ばい菌』に対して「慣れ」いきます。

「ドアのぶにさわったけど何も起こらなかった」

「ゴミにさわったけど大丈夫だった」

「便座に座ることができた」

など日常にある物が特別汚い物ではないとうことを認識しながら、徐々に成功体験を重ねることが「納得感」につながっていきます。

 

しかし、本人が恐怖と感じていることに向き合うことは、かなりの「心的エネルギー」を消費します。自分から「苦痛」に向かうとうことが、どんなに苦しいことか容易に想像できるでしょう。さらに、強迫症状は自覚できる症状です。強迫症状で苦しんでいる人は、すでに心的エネルギーを消耗している可能性が高いです。

 

そのため、恐怖対象に立ち向かう人の中には「うつ」「不安」を感じる人も少なくないでしょう。いわゆる、「2次的うつ」です。このような人たちの「心的不安」が少しでも軽減できるように、SSRIなど抗うつ剤が使用されるケースが多いです。 

 

強迫症状で苦しんでいる人に、「そんなもん全然怖くないぞ~」といいても恐怖対象に向き合うことはできません。なぜなら、すでに「心的エネルギー」が消耗している可能性が高いからです。まずは、「うつ」「不安」に対して立ち向かえるだけの心的エネルギー(ヤル気)を蓄えてから、症状克服に向けてスタートを切るべきでしょう。

 

まとめ

仕事でも生活でも「心のこだわり」をもつことはプラスにはたらきます。それは、人に流されることなく自分で自分の人生を歩むためにはなくてはならないことです。

 

しかしながら、この「心のこだわり」があまりに強すぎると社会生活に支障がでてきます。「こだわり」が強くなり過ぎると、仕事や生活に問題がでることがあります。これが「強迫症状」ですね。

 

対処方法としては「暴露反応妨害法」という方法があります。この方法は恐怖や不安の対象に「自ら積極的に接触していく」とうものです。自ら恐怖対象に接触して、「無害」であることを確認するわけですね。

 

とは言え、恐怖対象に積極的に接触していくには「心理的負担」が大きいです。そのため「うつ」や「不安」になることや、症状を悪化させるこのもあります。そのリスクを軽減するため医師や専門家のもと、SSRIなどの「抗うつ剤」を使用しながら暴露反応妨害法は進められていくことが多いです。

 

【参考】

  1. 板倉庸郎『強迫性障害の治療ガイド』二瓶社,1999
  2. 芝田寿美男『臨床行動分析のすすめ方ーふだんづかいの認知行動療法』岩崎学術出版,2017