こんにちは『まっさん』です。
たぶん「株式投資や投資信託」をしている人なら必ず聞いたことある
『長期投資』
この長期投資ってどういう意味でしょうね?
「長期投資って、こつこつとなが~く株や投資信託を購入すること」
だと思ってますよね。。。
正解です。
ですが、正確にはちょっと意味が違うんですね。
今回は、株式投資の王道「長期投資」についてつらつらと書いてみました。
『長期投資』の意味を2つに分けて検証してみた
長期投資には2つの意味があります。
まずは1番目から検証していきましょう
1.購入した株や投資信託を長期間売却せずに保有するを検証
あなたは長期間『株』や『投資信託』を保有する、場合によっては死ぬまで保有し続ける、はたまた孫の代まで保有し続けることが株式投資には有利であるといわれたことありませんか?
たしかに、激しく変動する株式相場の中で、株価の上がり下がりに一喜一憂するのは精神的に厳しいですよね。だから、いったん株を購入したら株価を気にせずず~っと保有する方が気持ちとしては楽です。
でも、やはり投資は『資産を増やすこと』を目的としているので株の価値が下がってしまうようなことはできるだけ避けたいですよね!
この観点から「長期投資」を検討したいと思います。
【検討課題】
株価が下落したしたとき、『長期投資』がどれくらいの損失をカバーできるのか。
1989年12月18日、TOPIX(東証株価指数)は過去最高の2,884ポイントを付けました。それからズルズルとTOPIXは下降していき、2012年6月4日、バブル期以降の最安値の695ポイントをつけます。そこからようやく2017年末に1,817ポイントまで回復してしています。
この下落と上昇期間を利用して長期投資の有用性をシュミレーションしてみましょう。
まず表の見方です。
TOPIXは東証のすべての銘柄を一つの指数にまとめたものです。ですから、本来は各企業が配当を出すとその分だけ指数は低下します。
しかし、配当は企業の経営状況で出たりでなかったり、あるいは配当性向(配当額の変動)などもあり、指数を比較するには不適切な場合があります。
そこで、「支払われる配当を考慮せず指数を検討したい」場合には、配当による指数の増減を修正した『配当込みTOPIX指数』を使うとでより株価の実態を把握することができます。
当期末の『配当込みTOPIX値』と前期末の『配当込みTOPIX値』とを比較したものが、表中の「年間収益率」の意味となります。
次に、「資産変化率」とはあなたがTOPIXに連動する投資信託を購入したとき、あなたの資産がどれくらいの割合で増減しているかをあらわした数値になります。
ちょっと難しい表現になってしまったので具体的にみていきましょう。
【あなたの資産100万円は長期投資でどうなるのか】
【エピソード】
今は昔1989年のバブル絶頂期です。
あなた(30歳)は60歳以降の老後資金にしようと株で資産を増やしたいと思いました。
いろいろ考えに考えた結果、安全性を考えてインデックスファンドである「TOPIX連動型投資信託」を100万円購入することにきめました。
もちろん超長期運用を心に決めての投資生活の始まりです。。。
「パチン。。。」
残念ながら翌年バブルがはじけます。。。。
株価急落です!
配当込みのTOPIX指数も1年で39.4%下落!
と同時にあなたの資産も下落!!!
1年で100万円が60万6,000円に減ってしまいました。
<表:抜粋>
1990年 年間収益率:-39.4% 資産変化率:60.6%
あなたは動揺しまくりです。
しかし「超長期投資」を心に決めていたので、折れそうな心を必死にこらえ1年間耐えました。
翌年は回復まではしなかったものの、下落率は0.4%にとどまり、あなたの資産は60万3,000円となしました。
<表:抜粋>
1991年 年間収益率:-0.4% 資産変化率:60.3%
【ここで1つ解説です】
あなたの資産金額はTOPIX指数に完全に連動していると仮定します。
TOPIX指数が0.4%下落すると、あなたの前年の資産60万6,000円も0.4%分下落しますので60万3,000円となります
〈計算式〉
60万6,000円 ×(‐)0.4%=(‐) 2,424円(損失)
60万6,000円 ‐ 2,424円=60万3,576円
実は、長期投資が安全な投資方法といわれている根拠の1つが「配当を再投資することで下落分をリカバーできる」ことなんですが。。。
それでも、あなたの資産はかなり減ってしまっています。
今回のテーマは、この長期投資の「再投資によるリカバリー」が本当に安心なのかを検討しているんですね。
では続きを見ていきましょう。
1992年も波乱の年になりました。
なんとTOPIXは三年連続して下落、この年は23.0%もの下落となりました。
あなたの資産は46万4,000円となり、ついに半分以下になってしまいました。
それでも長期投資を続けるあなたは耐え忍んでます。。。
<表:抜粋>
1992年 年間収益率:-23.0% 資産変化率:46.4%
という感じで『配当込みTOPIX指数の変動』と『あなたの資産の変動』を2017年まで比較していきます。
【あなたの資産は2011年に最低となる】
TOPIX指数は増加と減少を繰り返しながら2006年(投資を始めてから17年目)になると、67万9,000円まで回復してきました。
一時期、半分以下まで下落したあなたの資産も ようやく7割程度までもどってきました。でも。。。まだ7割弱の戻りです。資産を増やすどころか17年たっても元本の回収さえできていません。
強靭なハートをもつあなたにも不安がよぎり始めます。。。
「長期投資って安心な投資方法のはずだよね」
「再投資によるリカバリーがリスクを小さくしてくれるんじゃないのか」
それでも「長期投資」を17年も信じてきたあなたは、いまさら方針転換はあり得ません。「続行」するのみです。
その矢先、TOPIX指数が大幅に下落し始めます。
2007年には11.0%、続けて翌年の2008年は40.6%もの下落を記録します。
「ど・ど・どうする?」と迷っているうちに「魔の2011年」がやってきます。
この年、あなたの資産は最低の32万3,000円となりまた。実に67万7,000円の損失です。
政権交代や日銀のバズーカーのおかげで株価は急回復します。
2011年以降、TOPIXは一度も下落せず順調に回復を続けています。
ついに、2017年がきました。
あなたの資産はどのくらい増えているでしょうか。。。
2017年 あなたの資産価格は、
『91万4,000円』
です。
。。。。
。。。。
(あなたの心の声)「おいおい!減ってんじゃん???」
そうなんですよ。
減っちゃってるんですよ。
このとき、あなたは58歳になっています。
老後資金のために投資信託でお金を増やそうとしたところ、逆にお金を減らしてしまう結果となりました。。。
【結論】
『単純な長期投資はお金を増やしません』
残念ながら「長期投資」は市場の状況によって左右されることが多いようですね。
2.長期にわたり同種の株や投資信託を購入し続けること
「長期投資」にはもう1つ意味がありました。
コツコツとなが~く、やめることなく同種の株や投資信託を購入することでしたね。どんなに市場が乱高下してもず~っと買い続けることがポイントですね。
本来このような購入方法は「時間の分散投資」といい、分散投資の一つとされています。ここでは「時間の分散投資」も長期投資と考え、その効果を検討していきましょう。
純粋な時間分散投資の有効性を考えるときには、投資するタイミングのみでは中立な結論を導き出せません。なぜなら、検証には過去の株価データをつかうため意図的に安い時には多額の投資をし、高い時には投資を控えれば、当然ながら資産は増えます。
ですから、購入資金を一定額にし、購入タイミングも規則的に行うようにします。いわゆるドルコスト平均法を採用します。
ちょっと前置きが長くなってしまいましたね。
さっそく「時間分散による長期投資の有効性」についてみていきましょう。
TOPIXは指数ですので本来なら購入できませんが、仮に「株式会社 TOPIX」という会社があったとします。そのような観点で上の表を見ていきましょう。
【株式会社TOPIXも過去の株価推移と購入株数】
あなたは老後資金のために100万円を「株式会社TOPIX」に投資するこことを決心しました。投資ルールは次のように決めました。
<投資ルール>
- 投資資金:100万円
- 投資期間:29年間 (1989年~2017年)
- 投資タイミング:年に一回 年末
- 目的:老後資金
- 信念「29年間どんなことがあっても購入し続ける!」
この条件のもと、シュミレーションしてみましょう。
あなたの資産はどうなっているでしょうね。。。
まず、あなたは100万円を29年間にわけて投資することに決めました。
となると1年間当たりの投資金額は、
100万円 ÷ 29年 = 3万4,482.75円(少数以下切捨て)
つまり、あなたは1年間で3万4,482円分の「株式会社TOPIX」株を購入することになりますね。
つぎに、1989年の「株式会社TOPIX」の株価は、1株2881.37円です。
つまり、あなたはこの年「株式会社TOPIX株」を11.97株購入したことになります。
〈計算式〉
3万4,482.75円 ÷ 2881.37円/株 = 11.97株
あなたは「投資ルール」に継続し従って市場の乱高下とは関係なく株を淡々と一定額購入し続けています。
あなたは「ドルコスト平均法」により株を購入しているので市場が下落していても、その分「多くの株が買えるからラッキー」程度の心理状態でいられます。だから、淡々と株を購入し続けられるわけですね。
このような穏やかな心理状態で29年間株の購入をしてきたあなたは、2017年には「株式会社TOPIX」の株を『798.63株』保有していることになります。
いよいよ、あなたの資産がどれくらいになったか計算してみましょう。
2017年の「株式会社TOPIX」の株価は1株『1817.56円』です。
あなたが保有している株数は『798.63株』ですから。。。
1817.56円/株 × 798.63株=145万1,557.94円
おめでとうございます。
なんと『45万1,557円』も資産が増えています。
一定額のコツコツ長期投資により、あなたの資産は45.1%増えました。
【結論】
『時間分散型長期投資はお金を増やします』
市場の乱高下を気にせず、心穏やかに投資が続けられるからこそ資産が増えんでしょうね。
まとめ
長期投資には2つの意味があります。
今回のシュミレーションでは、
残念ながら1番目は資産を減らす結果になりました。
しかしこれは、投資したタイミングが悪いことが最大の要因です。
逆にいうと、投資するタイミングが最も重要であるということを教えてくれています。
とはいえ、
ベストなタイミングは『いつ』なの?
というと。。。わかりません。
なので、
どのタイミングでも比較的安全な資産有用が2番目の「時間分散型長期投資」となります。実は、この投資方法はドルコスト平均購入方法と言います。
簡単にいうと、同じ金融商品を『一定額の積立』で長期購入し続ける方法です。
だれでも、いつでも始めることができる比較的安全な投資行動ですのでぜひ実践してみてください。
最後に最大のポイントを書いておきます。
『絶対に途中でやめないこと』
最低限このルールをまもるだけで、最大限の効果が発揮できます